金属加工・樹脂加工・その他加工

プラ射出成形で「総合力」を実現

河村樹脂(横浜市港北区新羽町)は、プラスチックの射出成形部品生産で、金型製作から加工、組み立てまでをグループ内で一気通貫して受託できる総合力を実現する。汎用樹脂からフッ素樹脂、エンプラ、スーパーエンプラ、環境配慮型樹脂まで、ほとんどの材料に対応。試作から量産までもこなす“プラスチック成形の百貨店”のような存在になっている。親会社であるワーズウィズグループ(東京都目黒区)が射出成形部門で、強みが異なる企業のM&A(企業の吸収・合併)を重ねてきたことで可能になった。

金型製作から組み立てまで一貫

河村樹脂は、アセンブリーラインがある横浜と、金型製造部門がある北上工場(岩手県)の2拠点体制。半導体製造装置などの樹脂パーツ、汎用工業部品などを一貫して手掛ける。

また、宅配ボックスに組み込まれる開閉のための金具ユニットなどは、アセンブリーまで受託する。「射出成形のみだと同業他社との競争になりがちですが、組み立てまでできるのが大きな差別化になっています。金型部門があるのも強みです」(粟村悠専務)。

■M&Aで相乗効果

1962年10月設立の老舗企業だが、ワーズウィズグループ傘下になり、射出成形部門で同じグループの東和プラスチックス(横浜市港北区)、港化成工業(茨城県鉾田市)と連携。総合力で勝負できるようになった。

各社とも、同じ射出成形であっても得意分野が異なるため、相乗効果が発揮できるという。

「今までは単独ではお断りしてきた案件も受注できるようになりました。話を聞いて最適な加工を提案できます」(粟村悠専務)。サイズや材料を問わず、少量多品種でも受注。量産品であれば東和のベトナム工場を活用する。

グループ内で内製化できる総合力の活用により、納期短縮にもつなげる。「顧客によっては半分の納期にもなります。スピード感が全然違います」(同)と話しており、今後は電動車両の部品製作などへの進出も視野に入れている。

(2023年11月号掲載)