大森精機(横浜市港北区新羽町)は、超硬合金の精密加工を展開する。炭化タングステンやコバルトで組成される超硬合金は、その硬度から耐摩耗性を必要とする切削工具や金型に使われる。ただ、工具や金具にするための精密加工・研磨の難易度は高いとされる。同社は200倍拡大鏡でも欠けがないほどの磨きの技術を持つことからオンリーワンとされ、車関係や刃物関係大手からの引き合いが多く寄せられているという。
半数以上が熟練多能工
超硬合金は、自動車の塗装ラインに組み込まれるバルブのほか、ドリルのガイドなど、耐摩耗性が必要とされ、錆(さび)が発生しやすい部分の部品に使われる。
ただ、精密加工するには、特定の形状に特化する企業が多いという。
その点、同社は穴の加工だけでなく、平面や円筒などあらゆる形状に対応。その秘訣(ひけつ)は、職人のうち半数以上が「経験20年以上」とする熟練多能工の存在だという。
■ほぼ社内完結