まるでたこ焼き器? 旭工業(綾瀬市早川)は、加工が難しいとされるカーボン素材を使って、たこ焼き器のような形状をしたオリジナル調理器を開発した。たこ焼きより大きい直径40ミリメートルの穴が9個ある。“一口サイズ”の料理にアレンジできるという。「例えば、一口サイズのお好み焼きやハンバーグ、焼きおにぎりが楽しめます」と嶋知之社長。同商品を通じ、新たな食べ方のスタイルを提案していく。同社オリジナルブランド「Sumi」シリーズの新商品に追加した。
遠赤外線でお好み焼きにも
熱処理装置や半導体関連部品など、産業用向けカーボン加工の専門企業。同社は5年前からカーボン加工の可能性を追求しようと、プロダクトデザイナーと組んで自社ブランド商品の開発に着手。
現在までに5商品をラインアップ。中でも食パン専用カーボンプレート「Sumiトースター」はヒットを飛ばすなど、シリーズ累計3000個を販売している。
カーボンは熱が伝わりやすく遠赤外線効果があることから、お好み焼きなどを調理する場合は、弱火でも中まで火の通りが早く、独特の食感や舌触りが味わえるという。
大手ネット通販サイトをはじめ、百貨店や家電量販店の一部店舗でも販売していく。価格は2万円(税抜き)。初年度1000個の販売を目指す。
■自社商品で人材採用も
社内では定期的に商品開発会議を開催。新商品の構想を練る。メンバーである工程管理課の奧山和明さんは3年前にインテリア・雑貨関連企業から同社に転職。「町工場で自社商品を持っているので興味を持ちました。この会社なら新しいことができるのではと思いました」(奥山さん)と入社動機を明かした。
現在は「自分たちの携わってきた商品が世に出るため、モチベーションアップにもつながっています」と意気揚々としている。