権田金属工業(相模原市中央区)の非鉄金属商社、横浜伸銅(横浜市都筑区折本町)は、現本社近くに新本社・工場を建設する。工場が手狭になってきたことに対応。在庫量を増やして顧客に対するフォローも拡充させる。8月にも移転する計画だ。同社は、銅や黄銅、アルミ、ステンレスなどの非鉄金属材料を販売するほか、極太サイズのカドミレスの真ちゅう棒(最大で直径380ミリ)なども扱う。「工業用素材であれば、どんなものでも日本全国から取り寄せられます」(森浩二取締役)としており、地元の金属加工企業への販路拡大も進めていく。
権田金属の非鉄金属商社、在庫拡充
新工場はすでに着工。第三京浜道路から近く、交通アクセスがよい横浜市都筑区川向町に立地。約1300平方メートルの敷地内に建設し、1階を工場、2階を事務所にする。
同社は非鉄金属を中心に数百種類の在庫を保有しているが、一部は相模原の権田金属内にも置いていた。今回の新工場建設を機に、在庫も集約。常時120〜130トンを持つことになり、顧客が必要な時に必要な分を迅速に供給できる体制を整える。非鉄金属のみならず、鉄や樹脂、金、銀もそろえる。
■地元で販路拡大
新工場周辺は工業系企業が集積しているほか、相模原や県央地域にも近い。そのため、今後は地元での認知度アップを図りながら、新規顧客の開拓にも注力する。
森取締役は「すでに取引している材料業者がいたとしても、“2社購買”にすることで、リスク管理や適正価格を知ることにもなります」と話している。
材料販売だけでなく、必要なら約50社いる協力企業ネットワークを活用し、加工も請け負う。板金や機械加工、表面処理などをカバー。「最初から加工された材料でしたら、(顧客にとっても)手間が省けます」としている。
■カドミレス黄銅棒
一方、同社は欧州の化学物質使用規制(RoHS)に対応し、カドミウムを低減した「カドミレス黄銅棒」を扱っている。
権田金属が生産し各サイズを販売するが、最大で直径380ミリタイプもあり「業界では当社が唯一」と言う。これを工場内にある大型切断機で切断し、顧客に供給している。