機器・装置・製品/ロボット

人手不足解消に最新ロボ提案

生産自動化システムなどを製造販売する 芙蓉実業(山梨県富士吉田市)が神奈川に本格進出する。「ファナックロボット会」の会員で、ロボット事業を15年以上手掛ける。第一弾として相模原事業所(相模原市緑区西橋本)を開設したほか、2023年をめどに同市緑区橋本台3丁目に新工場を稼働させる。「地域企業の人手不足解消に向け、最新のロボシステムを提案します」と山下佐一郎社長。自動化には縁のなかった企業、業界に対しても、システム設計から運用サポートまでを一貫して提供する。

山梨のSlerが県内進出 地域企業と連携も

同社はロボットを使用した機械システムの導入提案や設計、組み立てなどを行う「システムインテグレーター(Sler)」の企業。従業員数83人。社内には専門技術者5人を抱えている。

産業用ロボ大手、ファナックの本社にほど近い富士吉田市上吉田に拠点がある。ファナックと連携し、目的に合わせた最適なシステムが提案できるという。

今回、相模原に建設する新工場は敷地面積約3800平方メートル。工場棟と事務所・研究所棟を置く。生産自動化システムやロボシステムの製造販売、万能ロボハンド、AGV(無人搬送車)の研究開発を行う予定。年間30~40システムの生産能力があり、将来的には50人規模の工場にしたい考えだ。

また、生産に協力する金属加工業などの地域企業も探す。

■「メイド・イン・ジャパン支える」

工場新設への総投資額は19億円になる見込み。相模原市の産業集積促進方策「STEP50」の認定を受けた。「交通の利便性などから相模原に進出しました。人材確保も狙いです」(山下社長)。食品や自動車業界などに販路を開拓するほか、地域企業に対してロボシステムの普及を図っていく。

山下社長は「小さな工場で十分な設置スペースがなくても活躍できる協働ロボなど、お客さんが『こんなロボシステムがあるのか』と喜んでもらえるようなものを提供します。ものづくりやメイド・イン・ジャパンを支えていきたいです」と話している。

(2018年9月号掲載)