都筑ヶ丘溶接(横浜市都筑区川和町)は、自社工場を改装して「焼き芋専門店」をオープンした。夏までの期間限定。“溶接工場兼焼き芋店”という組み合わせは珍しいといい、話題を呼んでいる。近くには町工場が点在しており、来店客の中には製造業者もいる。そのため、店舗が溶接工場の宣伝にもなっており、接点がなかった企業からの引き合いもあるという。
工場改装、本業のPR効果も
専門店「都筑ヶ丘お芋コミュニティ」は、1階作業場の一部スペースを改装。2階に専用調理場を設けた。扱っているのは安納芋や紅はるかで、すべて種子島産。100グラム当たり240円から販売している。
本業は熟練職人による溶接業。「溶接なら何でもカバーしています」(根本林太郎代表)と言うように、製缶溶接や板金溶接、肉盛り溶接などを手掛ける。場合により出張や特急にも対応する。
電力設備や自動車業界などを顧客としているが、最近ではオリジナルのインテリア用品や調理器具の改造など、個人客から依頼も寄せられるという。
そんな同社が“焼き芋事業”の構想を描き始めたのは昨年。行きつけの居酒屋オーナーの親族が種子島でサツマイモ農家を営んでいるが、周辺の同業者を含め、サツマイモに感染する基腐(もとぐされ)病で大打撃を受けていると実情を聞かされた。