金属加工・樹脂加工・その他加工

ものづくりを一気通貫でサポート

精密板金加工、古川電気工業(FeIT=フェイト、横浜市港北区新羽町)は、「ものづくりコーディネートサービス」を本格化させた。全国約100社の協力企業ネットワークを構築するとともに、大手企業出身のフリーランス設計者などとコラボ。設計・開発から製造、サブアセンブリーまでをワンストップで受託する一気通貫型という。品質を担保したうえで納入するのも特徴で、メーカーの設計部門などからの受託を狙う。

コーディネート事業を本格化

金属加工のほか、ポリカーボネートやポリエチレン、ウレタン、ゴムといった化成品の板材加工も手掛ける。

主力の精密板金では、板厚0・6~12ミリ(銅は0・6~6ミリ)まで対応。アマダ製ファイバーレーザー加工機を導入したことで、これまで外注に頼っていたステンレスやアルミニウムといった難加工材の切断、複雑形状部品にも対応できるようになった。納期は最短3日に設定した。

そんな同社が本格化させる「ものづくりコーディネートサービス」は、地元・横浜市港北区を中心に、東北から九州までの中小製造業と連携。

切削加工から熱処理、表面処理、バフ研磨、樹脂加工、組み立て、配線、基板...。ものづくりのすべての領域で、専門企業との関係を構築した。

■できない分野なくす

また、大手電機メーカー出身の設計者との連携により、顧客が持つアイデアを図面化して製品化するまでを一貫してできるようになった。「できない分野をなくすことで『本当のワンストップ』になります」(古川智健社長)と話している。

すでにガス漏れ検知器用の検査装置や小型圧縮機などをゼロから完成させた実績があるという。

現在、国内の中小製造業は、後継者不足などで専門技術を持つ企業が年々減少している。その一方で、国内回帰の動きもある。ただ、発注企業からすると、各工程に対応する業者を見つけたり、技術力を見極めたりするのにも時間がかかる。そのため、同サービスの利用を呼び掛けていく。

(2023年3月号掲載)