自動車整備業、yata(ヤタ、川崎市幸区古川町)は、撮影用架装車「ロケバス」を展開する。商用のバンやワゴンを、撮影用や撮影機材移動用に架装する事業だ。電子化が進むクルマ業界では、電子機器の整備や改造には電気系統に関する知識が不可欠。頻繁に改正される安全基準の法規制も遵守する必要があるが、「yata仕様は必ず車検に通る」との口コミから、納車は常に半年待ち。買い替え時のリピート率もほぼ100%という。
架装車オーダー半年待ち
架装車は完全オーダーメード。テレビや雑誌、映画撮影用の大型機材を積載したり、車内で撮影ができるよう座席を可動式にしたりできる。
中には「移動時間で身支度できるようにしたい」とのリクエストから、ライト付きメイク台などの電装機器を設置することもある。
架装車に求められる機能は多岐にわたる。業界では技術力を売りにする架装メーカーは少なくないものの、完成後に車検が通らないことも多々あるという。
その点、同社の場合は「100%車検が通る」とされるため、リピート率が高い。林浩司社長は「クルマは人命に関わるものだけに、法規制が厳しいです。日々進化する電子機器の知識も必要になります」と強調する。
社内では、安全基準に関する法規制や、最新の自動車技術に関する情報収集を徹底。加えて、林社長が車種や年式によって適用される保安基準の違いを熟知していることも大きい。