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「タイヤのコンサル」として成長

タイヤ専門店、柳川タイヤ(横浜市磯子区岡村)が、2019年9月に発生した台風15号による被害からの完全復活を遂げた。主力拠点である金沢営業所(同市金沢区)が、高波による大きな浸水被害を受け「店内を見回したときに、頭が真っ白になりました」(柳川学社長)と言うほどだった。それから1年以上が経過。幾多の苦難を乗り越え、今では取引先約250社を持つ専門店へと成長している。

台風15号被害からの完全復活

タイヤ交換や修理、メンテナンス、出張サービスなどを手掛けており、「タイヤ」に関するあらゆるビジネスを展開する。「タイヤのコンサルのような存在です」と柳川社長。

主なターゲットは消費者ではなく、大型トラックやクレーン車などの「働くクルマ」を扱っている企業。具体的には、運送やリース会社、整備工場などだ。これらの企業にとって、クルマは商売道具。パンクや不具合は、業務の停止を意味する。そこで必要になるのが、同社のサービスだ。

現在「移動店舗型出張サービスカー」と名付けたサービス車を計4台保有、客先に出向いて作業もする。

とはいえ、台風15号直後の浸水で店舗内の水位は65センチ、工場内は同85センチにも及んだ。商品だけでなく、4台あったサービス車も浸水。うち2台は廃車になるほどだったという。

それでも、諦めることなく地元・横浜市の補助金や産業支援機関・IDEC横浜などの協力を受けながら復旧を続けた。

柳川社長は「まずはお礼が言いたいです。いろいろな人たちの支えがあったからこそ、復興できました」と語る。こうした経験は現在のコロナ禍を乗り切る原動力にもなっている。

(2021年1月号掲載)