機器・装置・製品/ロボット

深紫外線搭載の「殺菌庫」開発

厨房機器製造、タイジ(川崎市川崎区東田町)は、ニューノーマル時代の対応製品として、紫外線の中でも除菌効果が高いとされる深紫外線(UV-C)殺菌灯を搭載した殺菌庫「ステリキャビSTR-35」を開発、発売した。

厨房機器の技術生かす

タオル蒸し器「ホットキャビ」などを製造販売する同社が、その技術を活用し、既存製品の殺菌灯付ホットキャビをベースに紫外線除菌に特化させる製品とした。アルコール消毒液などでは除菌しにくい形状や素材でも除菌できる。

日本製UV-Cランプを2灯搭載。最適に計算された反射板と組み合わせることで高い除菌効果を発揮するという。タイマー(10 ~ 60分)機能も付いており、除菌対象に合わせ最適な除菌時間が設定できる。20分程度で十分効果があるという。

同社は飲食店などでよく見かける、電気式のおしぼりタオル蒸し器を日本で初めて生み出した企業。「モノを温める」という用途を中心に、厨房機器やビュッフェ向け製品などを数多くラインアップしており、国内外に普及させている。

ただ、コロナ禍により、取引先の多くを占める飲食・サービス業に逆風が吹いている。こうした中で、既存製品に、感染症対策の要素を盛り込むことでアップグレードし、飲食・サービス業の力になれないかを模索。これまでに取っ手を抗菌化したホットキャビなどを発売してきた。今回はその第7弾としている。

価格は22万円(税別)。保育施設や教育関連を中心に、発売前から150台近くの引き合いが寄せられた。同社の堀江裕明社長は「飲食業などでの業態変化が進む中、今後はテイクアウトやデリバリーに生かせる商品も開発していきたいです」と話している。

(2021年3月号掲載)