住まいの産業 / ライフサイエンス

コロナ時代「エイド事業部」がサポート

カーパーツ開発、販売のリベラルコーポレーション(川崎市高津区千年)は、ファブレス事業で培ってきたノウハウを生かし、医療現場や介護施設などに必要な資材を提供する「エイド事業部」を立ち上げている。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年、医療現場などでマスクや感染症対策用品が不足したことを受け始めたものだ。国内外の取引先ネットワークを生かし、必要な物資を調達、適正価格で販売する。「入手できなくて困っていると聞けば、何としてでも調達します」と、青木康洋社長は力を込める。

調達網生かし衛生用品提供

スバル車を中心とした自社ブランド「LIBERAL」でパーツ開発などを展開。エアロパーツなどの外装品や高級車の内装も手掛けている。パーツは中国や台湾、北米でも販売する。

一方、本社ビルには、海外直輸入のカーパーツを取り扱う店舗を構えており、ディーラーでは手に入らないと、静岡や愛知からも来店があるという。

実は、昨年1月に先代から事業承継したばかり。直後のコロナ禍ではマスクや衛生用品不足が社会問題になった。青木社長は「目の前に困っている人たちがいました。当社は海外向けに展開しているので人脈がありますし、なくても見つけられるノウハウがあります」と、同事業部の新設を決めたと言う。「コロナで商流が変わる中で『車屋だから…』という固定概念はなくてもよいと思いました」とも付け加える。

■すでに30アイテム調達

現在までに、同事業部でガウンや体温計、フェイスシールドなど、計30以上のアイテムを調達。医療機関や介護施設をはじめ、マスクを買おうにも見つけられない近所の高齢者にも提供している。「ある高齢者が『どこに行っても消毒薬が手に入らなくて…』と、家庭用漂白剤を手に取るのを見て、情報弱者にこそ助けが必要だと思いました」(青木社長)と語る。

衛生用品不足が落ち着いた今でも、同事業は継続。コロナの終息が見えず、いつまたマスク不足になるのか、先が読めない中で、「困った人をサポートするための事業」として走り続けている。

(2021年3月号掲載)