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糖尿病網膜症、AI搭載カメラで診断

台湾ベンチャーのMiiS(晋弘科技、新竹市)は、ポータブル型でAI(人工知能)が搭載された眼底カメラを開発、本格展開を始めた。全世界人口の5分の1が糖尿病とされる中、合併症の一つである「糖尿病網膜症」は視力を失うこともある深刻な病気。そのため、定期的な検査と早期治療で進行を抑えることが必要とされる。しかし、その診断は難しく、特に医療施設が充実していない地方は診断を受けられる機会が少ないという。

遠隔普及や医療格差解消に貢献

同製品は、高解像度500万画素・広視野角45度の手持ち型デジタル眼底カメラ。糖尿病網膜症を検出するために学習したAIソフトウエアなどを使用し、早期診断を可能にする。画像はブルートゥースで端末に飛ばしたり、そこから外部に伝送したりして遠隔医療にも役立てる。

鄭竹明・董事長兼総経理は「(同装置が普及することで)高齢者は病院に行かなくても在宅でケアできるようになります」と話している。

(2021年3月号掲載)