金属加工・樹脂加工・その他加工

人材育成で「月替わり工場長」

フォーミング加工、アポロテック(横浜市都筑区池辺町)は、社員教育の一環として「月替わり工場長」のプログラムを始めた。入社年度を問わず、生産に携わる社員の中から工場長と副工場長を毎月選び、業務を回していく。対象となる全社員が持ち回りで経験することで、会社や工場運営に対する理解を深めてもらうのと同時に、スキルアップにつなげる。

社員のスキルアップ図る

工場長・副工場長に任命されたペアは、朝礼を仕切ることから始まり、受注後に現場への生産指示や、協力企業の手配、材料の効率的運用などを任される。経験が浅い社員でも務められるよう、副社長と専務がサポートする。

「例えば、イレギュラーな仕事が入ってきたとしても、工場を止めないためには生産現場で人材をどう配置するのかなど、工場長の役割はたくさんあります。それを経験してほしいです」と齋藤孝行社長。今までは自分の仕事だけをしていればよかったが、工場を回す立場になるとそうはいかない。「工場全体や周囲が見えていなければ工場長は務まりません。1カ月間経験することで、その後の業務にも生かしてほしいです」(齋藤社長)。また、朝礼や日常業務の中で「報・連・相」の大切さも身に付けてほしいとする。

現在、生産部門に関わる社員は約15人。毎月、ペアでローテーション制にすることで、少なくとも社員1人当たり年2回は工場長・副工場長業務が経験できる。ペアの選定は、中堅と新人などの組み合わせを想定。まずは1年間やってみて、社員たちの仕事ぶりや意識がどう変わるかを検証していく。

なお、同社はフォーミング加工が専門。同加工は、折り返しの多い複雑な曲げ形状の部品を加工する技術で、ハイブリッド車のモーターや微小な電子部品、時計の精密ばねに採用されている。

(2021年3月号掲載)