NTQジャパン(東京都千代田区内幸町)は、あらゆる業務を一カ所で管理し、作業の効率化につなげるためのコミュニケーションツール「enKomm(エンコム)」を開発した。社内外で必要なコミュニケーション機能がそろっており、「どこに何を書いたか」「いつ、何を共有したか」などを簡単に探せるのが特徴だ。コロナ禍であらゆる企業内業務のデジタル化が進んだが、その分「使うシステムが増えて分かりにくい」とする指摘が多いことから開発した。
大幅な効率化実現
エンコムのトップ画面には、「チャット」「会議」「カレンダー」「ファイル」など、日常業務でよく使う機能が表示されている。使いたいメニューをクリックするだけで、機能が立ち上がる。
例えば、社内でオンライン会議をするときには、当日参加用のURLを取得し、関係者にメールで連絡。カレンダーに予定を入れておく。これらが全て、一つのアプリケーションで管理できる。また、会議中に録画した映像やメモは、クラウド上のファイルに自動保存され、確認できる。
同社によると、LINEやTwitterでは情報はリアルタイムで発信されるが、効率的な検索機能がないため、過去の情報を探すのに時間がかかる。業務連絡に使っている場合、「いつどんな情報を共有したか」を確認するのが一苦労という。
だがエンコムでは「システムを一カ所で管理することで、作業時間の大幅削減ができます」(枝常伊佐央執行役員)としており、チャット機能でもキーワード検索ができ、探す時間がほぼゼロになるという。
■必要は発明の母
NTQは2011年に5人のエンジニアが設立したベトナムのIT企業。発足後10年で、日本をはじめ、世界15カ国に展開するまでに成長している。
昨年のコロナ禍ではベトナムでもロックダウンが実施され、社員たちは出社禁止となった。その時、対面でのやりとりができず、コミュニケーションのしづらさに直面したため、客先の要望でコミュニケーションツールを開発。これを、日本の中小企業向けにアレンジしたのが「エンコム」だという。
「今後も、日本のニーズと既に他国で展開しているITツールをマッチングし、日本に合う形で提供していきたいです」と、枝常執行役員は語る。
クラウド版とオンプレミス(イントラネット)版を用意。パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも使うことができる。利用料は、クラウド・スタンダード版で1ユーザー当たり660円(20ユーザー以上の契約)から。