天然素材探索研究所(川崎市川崎区殿町)は、食品素材などの有効性評価試験のアウトソーシングサービスを展開している。食品や医薬品メーカー、大学・研究機関などが対象。産業化の判断に必要となる基礎研究を、評価方法の組み立てから実施し、分析まで一貫して請け負う。委託側にとっては、欲しい結果が早く得られ、開発のスピードアップにもつながるという。
天然素材探索研、基礎研究をサポート
実際の試験では、食品素材をメーンに、マウスやラットで有効性を評価する。糖代謝や脂質・コレステロール代謝、抗ストレス作用など、一般的なもの以外にも、動物実験委員会で審査承認されたものであれば評価試験を“カスタマイズ”できるという。
例えば、血糖値を下げる効果が期待される食品成分の評価だと、糖分であるグルコースと一緒に健康なマウスに与え、血糖値の結果からその成分の適性を測る。効果があるようだと判断されれば、濃度などの条件を変え試験する。これにより、商品化に当たってはどれくらいの濃度が適正か、収益性を判断する材料にもなるという。
さらに次の段階として、血糖値の高い特性を持つ小動物に評価対象の成分を与え、結果を確認する。この時に、他の血中成分や臓器への影響も分析することで、他の効果や影響の有無も分かるといった具合だ。
■中小も対象に
同サービスは大手や研究機関だけでなく、研究開発機能を持たない中小・ベンチャー企業も対象。青山美子社長は「自社に設備がなかったり、人材がいなかったりしても、スポットで基礎実験ができます」と話している。