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振動除去装置のエキスパート

あらゆる「振動」をなくします─。明立精機(横浜市神奈川区新浦島町)は、人体が感じない振動をなくす「除振システム」のエキスパート企業だ。ミクロンやナノテクの世界でのモノづくりで必要になるもので、約400種のシステムを生産。わずかな狂いも許されない超精密分野の計測器や電子顕微鏡などに使われている。

人体が感じない振動をなくす

1968年9月設立。2014年10月からはデジタルカメラなど、イメージセンサーの検査装置を手掛ける東証1部上場企業、インターアクション(同市金沢区福浦)のグループ企業となり再出発した。

同社が展開するのは、主に「パッシブ型」と「アクティブ型」と呼ばれるシステム。

パッシブ型は、コイルバネや空気バネによって振動を減衰。それに対し、アクティブ型は、アクチュエーターや加速度センサー、コントローラーを使って、地盤と逆の振動を加えることで相殺する仕組みだ。

同社によると、人間が感じない振動はあらゆる場所から発生する。建物近くの道路や室内の空調機、会話をする人の声などさまざま。日常生活には何の支障もないが、ミクロンやナノレベルの世界だとそうはいかない。超微細加工の計測や有機EL製造などでは、振動という“ノイズ”を除去しないと正確さに欠けるという。そこで各種除去システムが必要になる。得意分野は10Hz以下の振動という。

現在は「除振」とは逆に、振動を発生させる装置の開発にも着手。「例えば、計測器などを開発する際、実際に使われる環境下での振動を再現します」(木地伸雄社長)としており、早期の製品化を目指している。

(2021年10月号掲載)