誰でも有機農業が可能に─。台湾の大学発ベンチャー、AgriTalk(農譯科技、新竹市)は、難易度が高いとされる「有機農業」が未経験者でも実践できるAI(人工知能)スマート農業システムを開発した。
農譯科技、害虫発生も予測する画期的システム
専用IoTセンサーで土壌の栄養レベルや温湿度、紫外線・赤外線などの計11項目を常時モニタリング。それらの情報をAIで分析し、肥料投入のタイミングや量、種類など必要な農作業を提案する。
また、天気予報や土壌の微生物レベルなどの情報も収集。害虫や病気の発生も予測する。
システムは扇風機や照明器具といった栽培設備との連動も可能で、遠隔でコントロールできる。同システムを使うことで未経験でも少人数で農場を運用できるため、収益性の大幅アップが期待できるという。
台湾でも農業人口の減少や高齢化が懸念される中、経験がなくても農業に取り組め、効率的な運用で利益が出せるシステムを開発しようと、2019年に国立陽明交通大学・バイオテクノロジー学科教授である陳文亮代表が同システムを開発。2019年に同社を設立した。
「現場の声や自身の経験をもとにしたスマート農業システムです」と陳代表。農家の事情によってカスタマイズできるのも強みという。現在までに、白いイチゴやコーヒー、アスパラ、ブドウなどの栽培にも成功。日本への本格展開も計画しており、導入やアフターフォローを頼める提携先を探しているという。