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AI内蔵赤外線カメラで患者見守り

コアフューテック(川崎市中原区新丸子東)は、AI(人工知能)を組み込んだ高性能赤外線カメラを使用することで、高齢者や患者を見守るシステム「e伝之介くん」を開発、本格発売した。富士通の開放特許「患者見守り技術」を活用した。ベッドと対象者の頭部を自動認識し、その動きを赤外線LEDセンサーで追尾。起床、立ち上がり、離床の様子をリアルタイムで読み取り、離れた人に知らせる。

コアフューテック、起床や離床を通知

現在、患者の離床を遠隔で知らせるものとして、ベッド近くに置くセンサーマットが普及している。しかし、同社によると、センサーマットは本人以外の第三者が乗っても反応してしまう。また、クリーニングが必要だったり、対象者がマットを避けて移動したりすれば検知しない課題もあったという。

同システムは、センサー内蔵の本体(高性能カメラ)と送・受信機、設定用リモコンで構成。ベッドと利用者の頭が認識できる場所に本体を設置すればすぐに使える。インターネット接続も不要だ。本体は専用スタンドに固定するか、壁掛けする。

稼働中は、頭の位置が設定範囲を超えると、「起床」「離床」と判断。赤外線のため夜間でも認識する。「センサーマットと違い“非接触”なのでクリーニングや感染症の心配もありません」と松本正己社長。購入したその日から誰でも設置、稼働できるようにした。

オプションの無線システムを使えば、離れた場所でも受信できるほか、ナースステーションなどの他のシステムとも連動が可能だ。

フロア9床までの小規模多機能型居宅介護施設や個人宅での利用を想定。販売代理店を通じて広めていく考えで、本体価格は12万8000円、専用スタンド付きで14万8000円から。3年後には1000台の普及を目指す。

(2021年12月号掲載)