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外国人材の能力可視化、活躍後押し

外国人雇用のミスマッチを防ぐため、川崎市内の2社が連携した。制御盤設計・製造、東京エンヂニアリング(川崎市中原区上小田中)が、外国人人材の潜在的な長所や課題を正確に把握するため、能力の「見える化」を進めている。

適材適所の配置に挑戦

同じ川崎市内で障がい者就労施設を運営する、ダンウェイが開発したクラウドシステム「シームレスバディ」を導入。同システムで人材の特性を可視化した上で適正配置を図っている。能力を最大限発揮できるような働き方につなげ、生産性向上を目指す考えだ。

東京エンヂニアリングは30年ほど前から外国人雇用を始め、技能実習生や高度人材を採用している。ただ、日本語会話能力が十分でない外国人材の働き方や採用後のミスマッチに悩んでいた。

会社の想定と現場でのギャップを埋めるため試行錯誤を重ねてきたものの、言葉や仕事を覚えたころには母国に帰国するケースも少なくなかったという。

そんな折、出会ったのがダンウェイの「シームレスバディ」。

障がい者雇用におけるミスマッチを防ぐために開発されたものだが、専用のアセスメント(理解度確認テスト)により、個人の得手・不得手をチャート図で表示できるものだ。「外国人にも活用できるのではないか」(貝田充社長)と、導入を決意したという。

貝田社長によると、従来、現場で外国人材に作業説明をすると「分かりました」というのに、実際の作業になると全くできていないことが少なからずあった。しかし、原因は日本語能力だけではないことも感じていたという。

そこで同システムで本人の特性を見える化することで、適材適所の人材配置にチャレンジできるようになった。「今後も積極的に外国人材を採用し、能力を最大限発揮した働き方をしてほしいです」と、貝田社長は語っている。

(2021年12月号掲載)