金属加工・樹脂加工・その他加工

愛川に半導体装置部品の新工場

半導体製造装置用のガス供給装置製造、湘南テクノ(厚木市上依知)は、愛川町中津に新工場建設を検討する。今後も半導体製造装置の世界的な需要増が続くと判断。内製化率を高め、顧客からの要求に迅速に応えるのが狙い。同社は製造装置に組み込まれるステンレス製配管などを生産。配管は国内最大規模となる年間12万本を供給する。新工場は2023年3月着工、同10月にも稼働させたい考えだ。

湘南テクノ、世界的需要増で検討

総投資額は約15億円を予定。大和田貢社長は「自動車やIoT、スマートフォン、5Gなど、今や半導体は多岐にわたる分野で使われるようになり、需要は向こう5~10年は続きます」と分析する。

新工場の敷地面積は約6600平方メートル。ここに鉄筋2階建ての工場を建設。総床面積は約3300平方メートルになる見通し。現工場で近く導入するNC旋盤やマシニングセンタなども新工場に移し、配管製作時の金属加工の機能を充実させる。

「当社は“ショッピングモール”のような存在を目指しています。今や専門店に買い物に出かけるよりも、何でもそろうショッピングモールで買い物します。(半導体業界の)当社のお客さんだって同じです」と大和田社長。外注に頼らず、自社で何でもできるような体制を進めていく。

■設備投資は「100%の勝算」を

同社は1993年に4人でスタートした企業。今や従業員80人を抱え、世界的に強い日本の半導体製造装置産業で、基幹部品となる配管などを生産。有力メーカーに納入する。

創業以来、大和田社長は「欲を出さずガツガツしない」「投資は100%の勝算があってこそ」といった姿勢を貫く。

設備投資する場合でも、メーカーの生産計画など、しっかりと情報収集した上で決めているという。「むだなばくちはしない。堅実でいることが大切です」とも力説する。

(2022年1月号掲載)