サンクスホーム(横浜市神奈川区片倉)は、セミオーダー型の注文住宅事業に参入した。建物の形状や壁紙、フローリング、外壁、屋根などを、あらかじめ用意された中から自由に選んで組み合わせることができる。建売住宅とフルオーダー住宅の中間的存在と位置付け、1棟2000万円前後で受注する。大手企業と連携し、建物引き渡し後の「30年保証」も付けて差別化を図る。

サンクスホーム、異例の「30年保証」も

「てんとう虫の家」ブランドで展開。今年1月には本社近くにショールームをオープンさせた。「注文住宅は魅力だが家の隅々まで考えるのは面倒という人や、注文住宅にしたいが予算がないという人が対象です」と冨井雅生社長。制震ダンパーや防犯合わせガラス(1Fのみ)なども基本仕様に含めた。保証も原則30年間付ける。

今年度は20棟の受注を計画。将来的には年間100棟を目指し、経営の柱となる事業の一つに育成していく。

■検査は6回

同社は現在、不動産業からの新築木造住宅の受託建築をメーンに手掛ける。昨年度は前年度比4倍増となる年間200棟を施工した。13人いる社員の分業化を徹底させることで、この規模をこなしている。

例えば、住宅1棟を着工する際、検査や現場の清掃、図面チェック、ローテーション(業者の割り振り)などに担当を振り分けて人員を配置し、現場監督の負担を極力減らすようにしている。各担当が複数の現場を掛け持ちし、同時に進行することも可能になるという。

品質向上策にも注力する。第三者機関も含めると、着工中から完成まで計3~6回の検査を実施し、家づくりのレベルアップにもつなげる。冨井社長は「自らに厳しく。検査が多いことで職人も気が引き締まります」と話している。

(2022年2月号掲載)