EFインターナショナル(EFI、横浜市中区相生町)は、マイナス70度の超低温輸送ができる冷凍コンテナ「スーパーフリーザー・-70℃」の販路拡大を進める。もともと新型コロナウイルスのワクチン輸送向けに米サーモキングが開発したもので、実際に欧州で使われているが、今後は漁業や水産関係など、幅広い分野でのニーズを探っていく。
ワクチン保存採用技術を食品にも-。
フォークリフトで運べ、スペースがあれば設置が容易なため、不足する冷凍倉庫の代わりになるという。
標準の20フィートタイプ(税別600万円)と、コンパクトな10フィートタイプ(同470万円)を用意。いずれも、マイナス10~同70度までの温度設定に対応した。0.1度単位で調整、あらゆる海産物などに利用できるという。この価格帯でマイナス70度まで設定できる冷凍コンテナは、業界でも珍しいとしている。
同社によると、マグロやウニ、ブリなどの水産物は、より低温下で保管した方が鮮度が高く、長く保存できる。そのため、同製品の導入により、品質向上やフードロス解消につながると期待する。コンパクト型は中小工場や店舗、スーパーなどでも導入可能だ。
■冷凍食品向けにも
一方、コロナ禍の巣ごもり需要で消費量が伸びた冷凍食品業界での活用も見込む。「冷凍倉庫を新設することを考えると格段に安くなります。時間も省けます」(阿部竜士執行役員)とし、業界に訴求していく。ほかにも、医薬品や半導体業界、研究開発用材料の検証テストなど、一般産業向けにも売り込みたい考えで、シリーズ合計で年間50台の販売を計画している。