住まいの産業 / ライフサイエンス

「クマザサ」一筋、ペット用サプリ開発

古くから万能薬として使われてきた「クマザサ」の関連商品を手掛ける、大和生物研究所(川崎市高津区坂戸)のペット向け事業が好調だ。同社がペット用に開発したサプリメント「ササエール」を取り扱う動物病院やペットサロンが増えており、現在までに全国約50カ所にまで拡大した。ペットの健康管理に対する関心の高まりが背景にあるようだ。

大和生物研、全国50カ所で販売

疲労回復や食欲不振、口臭・体臭の除去などの効能・効果があるとされるクマザサ。同社は1968年10月の創業以来、約半世紀にわたり、クマザサ一筋にこだわる。

扱うクマザサは純国産。標高1000㍍以上の高山に自生したものを使用し、長野県にある自社工場で加工する。

現在、複数の特許技術をベースにした“世界で唯一の医薬品製剤”とする第3類医薬品「ササヘルス」を製造。全国約1300店舗の薬局などで販売する。

こうした中、ヒト用に販売しているクマザサ医薬品を、ペットにも与えている購入者がいることを知り、クマザサ抽出エキスを原料にした動物用サプリメントとして「ササエール」を商品化した。

■市場規模は1600万頭

一般社団法人・ペットフード協会(東京都)によると、21年度の推計飼育頭数は、犬猫合わせて約1605万頭。15歳未満のこども人口よりも多いとされる。

ペットに対する医療技術や健康管理も人間同様のものが求められる傾向が年々高まっているという。

「ササエール」は、ペットの口腔環境をキープすることで健康を支える犬猫用サプリメントエキス。フードやおやつ、飲み水などに混ぜるか、直接口の中に垂らして使用する。価格は2200円。担当者は「安心安全の素材で自社製造しています。ペットの健康維持にも役立てられたら」と語っている。

(2022年3月号掲載)