粘着シート製造販売、大協技研工業(相模原市南区相南)は、工業団地「SIP座間」にある座間事業所の生産体制を拡充する。粘着製品の生産設備「コーター」を新規導入、3月にも稼働させる予定だ。素材に対し、粘着剤を塗布するだけでなく、カット工程もできる“複合機タイプ”のため、生産性は3 ~ 4倍に高まるという。現在は沖縄工場(うるま市)で同工程を担っているが、座間でもできるようにすることで、拠点内での一貫生産が可能になる。
大協技研、沖縄にはR&Dセンター
新規導入する設備は、最薄25ミクロン のフィルムにも粘着剤を塗布できるもので、粘着に対する幅広いニーズに対応する。座間での一貫生産により、拠点間の輸送費や保管費を削減でき、効率化にもつなげるという。
同社はマスキングテープや両面テープ、粘着フィルムなど、あらゆるジャンルの粘着製品を手掛けている。ここ数年は「本当の意味でのメーカーになる」(大山純平社長)とし、施設園芸向けの粘着式捕虫シートや、蛍光灯に貼る透明捕虫テープ、歩行害虫の侵入を防ぐ粘着シートなどを商品化。「IVY(アイビー)」のブランド名で展開している。
今後は自社商品事業を強化するほか、有名メーカーへの粘着製品のOEM(相手先ブランドによる生産)供給も視野に入れることから、今回の設備導入に踏み切った。「(座間と沖縄の)2拠点で生産体制を敷くことでリスクヘッジにもなります」(大山社長)。
一方、沖縄も変わらず生産機能を維持するが、座間事業所の増強により余裕が生まれたため、工場内にR&D(研究開発)センターを新設した。沖縄には同社のような粘着製品関連メーカーがほとんどないことから、地元自治体や大学などと連携し、粘着製品の次世代技術や潜在需要を探っていく。