住まいの産業 / ライフサイエンス

市場シェア6割のえごま油、海外へ

食用油の精製・充填、サンシーズ(中井町)は、生活習慣病予防によいとされる「健康油」の海外展開を進める。「不飽和脂肪酸」を多く含む製品で、健康志向の高まりから売り上げは右肩上がりだという。今後は“日本品質の食用油”として、台湾向けに製品および原材料の取り扱い先、PB・OEMの受託先を探したい考えだ。

サンシーズ、「日本製」で付加価値化を提案

同社はえごま油やアマニ油、MCT油、オリーブオイルの4種類の精製、充填を手掛ける企業。中でも、えごま油は国内市場シェア約6割を占めるという。

食用油は通常、海外から輸入した原料を、日本で食用油として精製している。ただ、熱に弱く非加熱で食する種類の油は、輸入した原材料をそのままボトルに充填すると、独特のにおいを発する。酸化しやすいため、油の性質も安定しない。

■品質検査は6回

そこで同社は、原料輸入から製造までで計6回にわたり品質を検査。自社工場内で独特のにおいの除去や酸化速度を抑えるために精製し、品質を整えてから製品化する。

これにより、癖のない食味となるため、サラダやヨーグルト、コーヒーなどにそのまま加えてもおいしく食べられるという。

たかが油、されど油。品質検査や精製方法の違いが、「おいしさ」や「もちの良さ」を大きく左右するという。

「質のよい日本食品の人気がある台湾市場に広く提案していきたいです。PBやOEMであれば品質だけでなく“メイド・イン・ジャパン”として付加価値のある商品にすることもできます」と、中川大輔社長は語っている。

(2022年3月号掲載)